父母から子 へ個人事業を継がせた場合 生前承継と死後承継で大きく損するかもしれません
川越市で税理士事務所を経営しています。佐々木です。写真についてはすべてイメージですので、ご注意ください。
さて本題です。
父母から子供へ個人事業を継がせた場合 生前・死後ではこんなに違う
子供へ自分の事業を継がせたい こう思われる方は多いのではないでしょうか?
子供に事業を継がせるタイミングを逸し、損をする人も多いので簡単に記事にします。
父母の死後に商売を継いだ場合
あるストーリー
ある田舎で、個人事業で工務店を営むAさん いつかは子供に工務店を継がせようと思いながら、日々の忙しさに事業を譲ることを先延ばしにしていました。Aさんはある日いつものように早朝起きて出勤前に畑に水をやりに行きました。数時間後、なかなか戻らないAさんを心配した家族が畑に見に行くとAさんが倒れているのを発見しました。救急がきてその場で死亡が確認されまた。死因は脳卒中でした。
Aさんには、大工である息子がいました。従業員として勤務してくれていましたが、父であるAさんの死去後、事業を承継しましたが、いきなり3つのことで困りました。
① 資金管理をしていたのは、父であるAさんで、お金の流れと経理のことが全くわからないという問題(時間のロス)
② 建設業許可は父の名前で取得していたため、建設業許可が取り消され金額の大きな仕事ができなくなってしまった。(大型商いの機会のロス)
③ Aさんの死後に事業をついだため、消費税を払う義務(納税義務)も一緒についてきてきてしまい、予期せぬ多額の税金を払うことになってしまった。(資金のロス)
ではAさんはどうすれば良かったのでしょうか?
答えは、生前に息子であるBさんを鍛えて備えていればよかったのです。商売のやり方・営業~受注~施工~支払管理~入金管理 経営成績の付け方・全部を引き継がせるには少なくとも3~5年はかかると思ったほうが良いでしょう。
① 経理関係は奥さんか息子さんに教えて数年一緒にやって見せる
② 建設業許可を取らせるために、必要な資格を取得させ、個人事業主として、別居独立させ経験を積ませる。
③ 生前のうちに、引退廃業し息子に事業を継がせ一従業員(オブザーバー)として勤務する。息子であるBを工務店の代表として面子をたて、税務上は新規開業として消費税の2年免税をする
相談役は大事
一つ一つ順番に進めるにしても、建設業が得意な税理士を顧問につけて数年の計画を一緒に練ったほうがいいでしょう。
優秀な税理士であれば、多角的な視点で事業のバトンをどう渡していくか一緒に考えてくれるはずです。